動物愛護について ③
53頭の飼育放棄された犬達の中でも、特に状態の悪い子が数頭います。
少しずつ新しい飼い主さんが決まっていく中、その子達は、飼育するというよりも、最初から介護していくことになり、現状では、新しい飼い主さんが決まる可能性は、少ないように思います。
そのことは、保護した時点でも、すでに分かっていたことですが、実際にレスキューに向かった人達には、置いてくることは出来ませんでした。
今は、NPO法人VOVとWan Lifeさんの個人宅で、手厚く看護されています。
海外の動物保護シェルターで、絶対に処分しないことで、一時期、話題になった施設があります。
そこでは、保護した犬や猫は、100%新しい飼い主さんを見つけていますが、保護する時点で、新しい飼い主さんの決まりにくい子、例えば、性格的に問題があったり、慢性疾患を持っている子などは、最初から引き取りません。
考え方としては、1頭の問題のある子にかかる、手間、時間、お金があれば、もっと多くの子を助けることが出来るということです。
もっと言えば、たった1頭の命を助けようとすることで、多くの元気な子の命を犠牲にしてしまう可能性があるということです。
実際に、"NPO法人VOV"では、生後4ヶ月の性格的に問題のある子犬3頭を保健所から保護したことがあります。
最初から問題のあることは分かっていましたが、目の前で仔犬達を見てしまうと、見捨てることが出来ずに引き取ってきました。
そのときは、他にも保護している子犬が多くあり、その後、また、保健所から、子犬が入ってきた、との連絡があったときには、保護する余裕がなかったために、引き取ることが出来ず、実際に見る前に断ったことがあります。
当然、新たに保健所に入ってきた子犬達は、処分されてしまいました。
当初、無理に預かった、問題のある子達には、新しい飼い主さんとして、ご希望をいただいたこともあったのですが、結局、人に対する警戒心を解きほぐすことが出来ないまま、すでに、3年ほど経ちますが、今でも、一時保護している家庭で過ごしています。
結果として、無理に引き取った犬達には、新しい飼い主さんを決めることが出来ずに、保護している人の負担になってしまい、また、その子達を引き取らなければ、そのあとの子犬達に生きていく可能性を与えられたのに、それも出来ませんでした。
このことは、動物愛護に係わっていく上で、必ずぶつかる問題です。
目の前の1頭よりも、その先の多くの動物を助けられるような体制を整えることの方が、重要なことで、また、正しい行動だとも思います。
それでも、問題のある子達を保護している人に、「もう一度、保護した時点に戻れるとしたら、どうする?」と聞いても、戻ってくる答えは、きっと、「もう一度引き取る」です。
頭で分かっていることと、実際に現場で感じることは、違うこともよくあります。
どれが正しくて、なにが間違っているのかは、分かりませんが、今は、頭で考えることや、卓上での理屈よりも、実際の現場での考えや判断を重視して行くのが良いかな、っと思っていますが、どうなんでしょうか?
これからも、皆様の色々なご意見や、ご指導、よろしくお願いします。
前へ(動物愛護) | 次へ(アレルギー 原因) |
カテゴリー 動物愛護
動物愛護
保健所から
動物実験
動物愛護②
動物愛護③
ブリーダー破綻
動物取扱研修会
動物の保護
動物愛護管理法
日本と海外の違い
問題行動の責任
野良猫と地域猫
改正動物愛護法
野良猫への餌やり
地域猫
ご相談・お問い合わせ(無料)
メール(24時間受付) |