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犬種スタンダードについて (2005/7/3)

 今更ですが、スタンダードというのは、犬種独自の理想的な形の基準を記した物で、ドッグショーなどの評価の基準になっています。
 ブリーダーさん(繁殖した人という意味ではなく、本当の意味でのブリーダー)は、このスタンダードを目標にして、少しでも近づけるように、犬質の向上を図りながら繁殖しています。

 ですが、このスタンダードというのは、生物学的に見れば、全てが理想というわけではありません。
 例えば、ブルドッグの外観上の顔のスタンダードは、軽い運動や、ちょっと気温が上がっただけで、呼吸困難になってしまうような形成をスタンダードとしています。
 生物としての進化で、呼吸しやすいように顔の形が変わった仔犬が産まれた場合は、欠点のある子で、繁殖に使ってはいけない犬という判断になります。

 動物本来の進化よりも、スタンダードに沿った退化を維持している犬の方が繁殖するのに適した犬ということになります。

 また、足が短かかったり、被毛が巻毛だったりするのは、生物としての進化ではなく、人間が、何かの目的のために、人工的に作り出した物で、その他にも、頭蓋骨の形や、咬合、毛質、耳の形、など、生物学的には、退化となるようなことがスタンダードとして記述されていることも少なくありません。

 ですが、その部分こそがその犬種の特徴であり、また、魅力にもなっています。
 その犬種を愛している人から見れば、絶対に受け継いでいかなければいけない部分になっていることも多いと思います。

 人間にとっての犬質の向上と、生物としての質の向上は、相反する部分も多く、難しい問題だと思います。
 それでも、犬種のスタンダード自体、100年以上も前に作られた物を基準としていて、若干の改定はされていますが、根本的には、殆ど改定されていません。
 断耳・断尾などの面も含めて、考え直してほしい部分も多いように思います。

 あくまでも、当ショップの勝手な考え方ですが、家庭犬としての繁殖を考える場合には、スタンダードよりも、気質、健康面を重視して交配・出産に臨むよう、お願いします。

 

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