泌尿器系の疾患について (2006/4/6)
尿道結晶が出来ている子はかなり多いようですね。
その殆どの子は、処方食を与えながら、治療を続けているようですが、結局、結晶が消えたり、現れたりを繰り返して、飼い主さんは、常に尿のPH値を気にしながら、病院通いを続けることになってしまいます。
泌尿器の病気の原因は、栄養過多や、栄養不足、また、代謝機能の障害などが多く、単に、尿のPH値を整えたり、結晶を消すだけでは、根本的な解決にはなりません。
また、処方食などで、尿のPH値を調整するだけでは、一時的には治ったように感じますが、同じ症状を繰り返したり、別の疾患を引き起こしてしまうことも多く、根本的には、何も解決できないことが多くなっています。
改善のためには、まずは、添加物などの一切入っていない自然な食事を与えてあげることが第一です。
初期の軽い症状の場合は、それだけでも治ることも少なくありません。
場合によっては、サプリメントなどを与えるのが有効なこともありますが、基本的には、食事の改善が中心になります。
また、充分な水分を摂ることと、ドンドン、オシッコできるような環境にしてあげることも重要なことです。
その場合、気持ちよくオシッコが出ているかどうか、チェックしてください。
また、猫は、本来の生活習慣と、ペットとしての生活の違いから、特に、泌尿器疾患には、かかりやすくなっています。
元々は、乾燥地帯で生活していた猫の身体は、特に水分を摂らなくても、体内の脂肪を消費することで、水が排出され、水分を得る仕組になっています。
そのため、通常は、水を飲むことが少なくなる傾向があります。
問題になるのは、脂肪を消費しなければ、水が生まれないということで、今の日本の住宅事情では、どうしても運動不足になりやすく、脂肪の消費が少なくなることから、水分不足になり、泌尿器の病気になりやすくなっていることです。
対処としては、家具の配置を工夫するか、猫用のツリーなどを使って、上下運動ができるようにして、充分に運動できるような環境を作ってあげることが、ストレスの解消にもなり、必要なことだと思います。
また、あまり水を飲まない子の場合は、ウェットのフードか、手作りの食事、もしくは、ドライフードをふやかして与えるようにして、充分な水分を摂れるようにしてください。
また、時間を決めずに、1日中少しずつ食事(特にドライフード)を食べる習慣のある子は、泌尿器の感染症にかかりやすくなっています。
決めた時間に食べきるような習慣をつけてあげてください。
泌尿器系の病気の子は、今までの治療法と違う対処をしてあげることで改善できることも少なくありません。
長期間にわたって治療を続けているにもかかわらず、改善できていない場合は、考え方を変えてみるのも、ひとつの方法です。
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